犬を飼い始めてお住まいの市町村に登録したら、年1回の狂犬病注射の通知が春に送られてきますよね。
そおは、8月生まれでうちに来たのが1月、そのときには混合ワクチンも終了していたので、狂犬病の注射も1月に打ちました。
こないだ打ったばっかりだしな・・・
また注射〜?
1月に打ったのに、4月1日から6月30日にまた打つ必要があるのかを獣医さんに聞いてみました。
- 狂犬病予防注射の有効免疫期間が1年間でその年に受ける必要があるため、12月までに受ければ良い
- 今年は秋ぐらいに受けて、毎年少しずつ前倒しにし、最終的に4月1日から6月30日に受けることにしてはどうか
なるほど!でも、狂犬病の注射って絶対必要なの?
非常に基本的な疑問が浮かんできたので、調べてみました。
狂犬病とは?
狂犬病ウィルスの感染によって発症し、発症した犬に咬まれると人も感染します。
致死率は、ほぼ100%の恐ろしい病気です。
- 感染経路:感染した動物に咬まれて感染(すべての哺乳動物が感染)
- 潜伏期間:1〜3ヶ月程度
- 症状:不安感、興奮、麻痺等の神経症状(発症後は、ほぼ100%死亡)
狂犬病の注射は打たなくちゃだめ?
日本では、「狂犬病予防法」によって接種が義務付けられています。
- 犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合は、生後90日を経過した日)から30日以内に1回目接種
- その後は、毎年1回接種
義務なので、違反した場合には罰則があります。
「狂犬病予防法」について
「狂犬病予防法」は、第二次世界大戦の敗戦の混乱期で、人や犬の狂犬病が多発した昭和25年に制定されました。
昭和24年には、人が76人、犬が614頭も発症したため、緊急対応のために制定とともに即日施行されたそうです。
その後、日本の狂犬病は減少し、昭和31年を最後に日本から姿を消したとのこと。
狂犬病の恐ろしさを知って、官民一体で取り組んだ成果が出たのですね。
世界の狂犬病発生状況
世界中で現在狂犬病が発生していない国は、日本、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスなどごく限られた国と地域だけです。
アメリカ、ロシア、中国等の大国を含む世界の多くの国では、まだ狂犬病が発生しています。
世界保健機関(WHO)の2017年の年推計では、全世界の狂犬病による死亡者は報告があっただけでも5万9千人ほどだそうです。
日本では狂犬病が撲滅したとはいえ、日本人でも海外に旅行した際に犬に噛まれて帰国してから発症する事例はあります。
潜伏期間が長いため、旅行中は気づかないことも多いそう。
そのため、「狂犬病予防法」もそれぞれの時代の情勢に合わせて変更されてきました。現在施行されているのは、2014年に改正されたものです。
発症の予防と発生時の緊急措置
狂犬病の予防
潜伏期間が長く、発症すると致死率がものすごく高い狂犬病では、予防がとても大切になります。
それで、狂犬病ウィルスにかかりやすく、人間との生活に関わりの深い犬に、飼い犬の登録と狂犬病注射が義務付けられているのですね。
また、海外からのウィルス侵入を防止する措置として、犬、猫、あらいぐま、きつね、スカンクの輸出入には、輸出入検疫を受けることが義務付けられています。海外への転勤や長期出張で動物を連れていく場合には、検疫を受ける必要があることを理解しておく必要がありますね。
ちなみに、狂犬病が多く発生している地域に旅行や仕事で行く場合には、人間も事前のワクチン接種(3回)が可能です。
期間を空けて接種が必要なので、渡航が決まったらすぐに調べてみると良いと思います。
狂犬病発生時の措置
万が一、日本で狂犬病が発生した場合は、「狂犬病発生時の措置」が定められています。
主なものとしては、以下があります。
- 届出の義務
- 隔離義務、殺害禁止、肢体引き渡し
その他、各自治体で定められた規定もあります。
なお、狂犬病発生時だけでなく、平常時でも飼い犬が人を咬んだ場合、狂犬病感染の診断と行政への届出、獣医師による健診が義務付けられており、違反者には罰則が科せられます。
罰則
「狂犬病予防法」の違反には、罰則があり、主なものは以下です。
30万円以下の罰金 | 検疫を受けずに犬、猫、あらいぐま、きつね、スカンクを輸出入した場合 |
狂犬病発生時における届出、隔離の義務に違反した場合 | |
20万円以下の罰金 | 飼い犬の登録を行わなかった場合 |
飼い犬の狂犬病注射を行わなかった場合 | |
狂犬病発生時の行政措置に従わなかった場合 など |
まとめ
今回調べてみて、狂犬病の怖さや予防の大切さがよくわかりました。
これまでは、決まりだからと思って受けさせてた狂犬病注射ですが、海外への行き来が昭和の時代よりずっと簡単で気軽になった今、日本で撲滅されているからと言って気を緩ませず、忘れずに接種させてようと思います。
予防接種を打つだけで、万が一かかってしまった際に死ぬ確率や人や他の動物にうつす可能性が低くなるなら重要ですよね。
子犬のときに打つ、その他のワクチンについても調べてみたので、気になる方はご参照ください。